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ストレッチで稼ぎ依存症から卒業

この記事を書いた人:
水元英登(みずもと ひでと)
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継続課金型コミュニティ設計・管理

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月曜日...もしも出勤してもやることないが決まっていないとしたら、その出勤やめてみない?って話を。

それは極端だとして、何を話し合うのかわかっていない会議とか3分間のために4時間準備する週例スピーチとか。時間に余裕があると意味ないことで埋めがちだよねってお話です。それで忙しいって言うんだったら、それって自傷行為じゃん。「どうしてそれがダメなの?」→「どうすればいいの?」がわかります。

前回のおさらいで『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』について触れておきます。これに近い方向性だと思ってください。大事なことだけやろうよ。大事なことがわかるのことが大事で、大事なことがわかることに時間を使おうよ。って話でした。

『ストレッチ 少ないリソースで思わぬ成果を出す方法』はもうちょっと進んだ中級編って雰囲気で、サクッとまとめると

豊富なリソース=優れた成果

じゃないよと

リソースの優れた活用=優れた成果

だよと説いています。

リソースってふわっとしてますが、わかりやすく単純化すると「ヒト・モノ・カネ・時間・情報・知的財産」です。

 

登場するタイプは相反する2つ。「チェイサー」と「ストレッチャー」です。

絶えず何かを追い求めるアプローチを「チェイシング」と呼んで、そういう人を「チェイサー」と分類します。「もっといいものがあるんじゃないか?」「これでは足りないんじゃないか?」とリソースの獲得に依存してしまう人です。

対して「ストレッチャー」はリソースの活用に目を向ける人たちのことです。

一見どちらも性格の違いだけで、どちらがいいとか悪いとかないように思えます。でも以下の心理学者バリー・シュワルツの語る「選択のパラドックス」に気がつくと、チェイサーはヤバいねと直感的に理解できます。

www.ted.com

チェイサーの不幸

チェイサーがヤバい理由は以下の4つにまとめられています。

1. 上方社会的比較
2. 機能的固着
3. 無差別な収集
4. リソースの浪費

要は、他人と比べることが自分を許す評価基準になってしまっている状態で、ある種の依存症です。いくら稼いでも不幸なまま。上を見たらキリがないし、本来比較できない対象に対しても漠然としたストレスを感じます。頭に浮かんだ本来いない敵との戦争が永遠に続くのです。

ストレッチャーの幸せ

これに対するストレッチャーというものはどんなものかについても4つにまとめます。

1. 心理的オーナーシップ
2. 制約の受け入れ
3. 質素倹約
4. 手持ちのリソースを有効活用する

これから何度か出てくることになる幸せの大きな要素「コントロールできる」感覚が根底にあります(アドラー心理学「課題の分離」も参考にどうぞ)。制約を受け入れると自分で決め、何にお金を使うかを自分で決め、持っている物を何に使うかを自分で決めることができる心理状態です。

日本の「禅」にも通じるこの考えについては、別に機会をつくって話しますね。

間違ったストレッチのイタイ人

個人的に面白かったのは最後に出てくる見当違いなストレッチの使い方による失敗例の数々。その中でも「これって、オレじゃん?」という笑えないひとつをご紹介します。

行き場を失ってさまよう 

これは笑えない。

多方面に関心があり、多様な経験を積んでいる人にありがちな過剰なストレッチ。豊富なスキルをもとに、今までにない新しい方法で問題解決に臨むことができる。が、大成功を収める企業の設立に貢献したというのに、その恩恵を受けることはほとんどなかったアップルのロナウド・ウェインの例が示されています。

このあたりの滑らないキャリアの積み重ね方はカル・ニューポートの『今いる場所で突き抜けろ!』が教えてくれます。

依存かオーナーシップか

これから何度も出てきますが、幸せを決める大きな要素に「コントロールできる」感というものがあります。チェイサーは他人と比較して、強迫観念によって「やらされる」状態に陥ってしまう依存症。ストレッチャーは全部自分で決めているのが大きな違いです。

選択肢を増やしまくると自分でも決められない(誰も決められない)状態を自分で作ってしまうことになります。お金がなくても、時間がなくても、それは致命傷にはなり得ないということです。お金を潤沢に持っていても同じ。ヤバいのは今持っている物の活用法に目がいっていない自分だったのです。ってことはある意味救われた?