蒼天航路の登場人物に賛否両論は当然!みんな生き方が本音すぎる!
水元英登(みずもと ひでと)
継続課金型コミュニティ設計・管理
蒼天航路は熱い。こんな三国志は見たことがない。蒼天航路の世界に飛び込んでみると現状維持が即死であることがわかることだろう。生ぬるい自己啓発本が役に立たない理由はこれだ!身の回りのリアルな現実に、ちょっとでも小さな「変わりたい」があるならば、虚構の世界で「覚悟」を知ろう。
横山三国志はもちろん、正史(ちくま学芸文庫)も中学生までにそろえた私が蒼天航路を読みます。
<もくじ>
西園八校尉(せいえんはちこうい)
曹操 孟徳
齢35
引用:蒼天航路 その五十「凶兆」
今の私と(ほぼ)同い年。主人公の曹操(そうそう)は私財を投じて5,000の兵を集めます。諸侯に檄を飛ばし、反董卓連合軍を組織しました。その数、40万。他人事とは思えません。
蒼天航路が語る本音 その1
蒼天航路の描く世界観はひどくリアルで、現実的です。
現実の世界には、正義と悪というわかりやすい構図は存在しません。
人間の本性 相手の食料を奪うために戦争が起こる
悪が現れて、民たちが義憤するのではありません。なぜ世の中に戦争が起こるのか?
戦争が起こるのは、相手の食料を奪うためであると言い切っているところがこのマンガのすごいところです。
引用:蒼天航路 その九十七「誘いの王」
現代の私たちも同じです。
5名の定員に35名の応募があっても、1億円予算のプロジェクトに2社のコンペとなっても、私たちブログオーナーが検索上位を狙うのも、すべて戦争と心得るべきです。
蒼天航路が語る本音 その2
人間が人についていく理由 飯を食うために兵士は増える
敵勢力に対して優位に戦いを進めていくと、ますます味方の兵士の数が増えていきます。ずっと疑問だったのは、この兵士はどこから来るのか?どう言ったメカニズムなのかというと、実はとってもアナログで簡単な仕組みであることが描かれています。
兵士は自分の意思で勝手に増えるんです。ハローワークとかで募集したりしていません。
引用:蒼天航路 その八十七「輝きがもたらすもの」
人間の本質は今も昔も変わらない
人は飯を食わせてくれる、または食わせてくれるであろう期待のある方についていくというものです。
より大きな企業へ就職したい「御社は憧れの企業です。ただ、志望動機はありません。」みたいな学生と同じですね。2000年近く時が経っても、人間の本質はそうは変わってないのです。
主人公たちの旗揚げは、ビジョン系あやしいビジネスみたいですよね。うまくいかなければ、詐欺。うまくいけばイケてるスタートアップって言われてちやほやされます。
蒼天航路が語る本音 その3
いろいろ計算したら歩兵500しか動かせなかった
青州黄巾党を配下に収め、兵士30万と100数万の民を得た曹操でさえ、
まず民の食を確保して、その余剰の規模で兵を動かすという曹操のやり方で割り出された数が歩兵のみ500。飼料のかさむ馬を連れていないという徹底ぶりです。
兵糧は敵から奪うという従来の常識を打ち破るということは、これくらいの代償を伴うものだったのです。この時代の従来の軍事がいかに無茶なことをやっていたかがわかる描写です。
引用:蒼天航路 その九十七「誘いの王」
当時の中華の大地では、中央政権の勢力争いの戦禍を逃れるために南への人口の大移動があったと言われています。農民たちも移動するんです。殺されては終わりなので、田畑を捨ててでも逃げ出しました。
蒼天航路が語る本音 その4
風評は何よりも速く駆け巡り人を何倍にも大きくする
檄を飛ばして連合軍を組織しておきながら、早々に連合軍を見限った曹操はすでに戦いの成果を得ていました。それが風評です。
曹操がなろうとしたのは、面倒臭い奴。敵にしたくない奴。恨みを買いたくない奴。手強い奴です。
人が集まるところに風評が立つ
諸侯の器の大きさを測る尺度となる “ゴジラ” として董卓が描かれています。圧倒的に強い魔王である董卓に対して、いかに有効な打撃を与えられるかが諸侯の強さを示すバロメーターです。曹操は無謀とも思える猛攻撃で、「曹操の旗には戦いを挑むな」という雰囲気を手に入れ、その後の乱世を生き残るためにアドバンテージを得たのでした。
実際に5,000の董卓軍が、たった500の曹操軍と対峙したまま動けない様子が描かれています。
風評は自分でも手が届かないところに自分を運ぶ
一方で、董卓が焼き払った洛陽の都を再建しようと尽力した孫堅は民衆から慕われ、神のように描かれています。
引用:蒼天航路 その七十「郭嘉と荀彧」
孫堅が行軍すると、孫堅の高名をしたって我も我もと従軍する民衆が描かれています。孫家の名声は息子の孫策にも受け継がれ、わずか1,000の行軍が数日で20,000にまで膨れ上がります。
武力で圧倒して屈服させたのではありません。兵士たちは自らの意思で、誰に付き従うのかを決めているのです。
自分を管理して他人を動かすことが生きるということ
全体を通して得られる教訓は、人の一生は儚い(はかない)ということです。
名のある武将だろうが、名もない民衆の1人だろうが、早かれ遅かれ一生を終えます。どの様な最期になるのかは、日頃の行いの結果でもありますが、選べる様で選べなかったり不思議なものです。
悔いのない人生は知ることで取りに行ける
ただ1つ言い残したいことがあるとすれば、肌で触れて知ることのできる世界の大きさに個人差があるということです。 どんなに栄華でも空を見たことがない皇帝もいますし、自分の耕す土地しか知らない農民もいます。
願わくば、空の上から世界を知るような行動を選びたいものです。「蒼天航路」は経営本だと思います。
(ちなみに日本の人口の45%が民衆または兵士に該当。その家族も含めると名前のある役が与えられるのはほんの数%です。)
曹操の名言・名場面で一番好きなのはここ!
おわり
P.S. 最後まで読んでくれてありがとうございます。
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