クラウドファンディングをやる前に読んでおく備忘録。一番大事なのは継続視点
水元英登(みずもと ひでと)
継続課金型コミュニティ設計・管理
これからの時代、自分の思い描いた世界を実現できないことは恥ずかしいことになるかもしれません。なぜか? 実現できる手段はあるからです。
実現できる手段があるのに知らないのか。知っているのにできないのか。
これって一昔前の大学という学歴と同じです。
大学があることを知らないのか、知っていても入れる学力がないのか。結果として、社会からの評価は同じです。
私たち30代が、20代の希望に溢れた若者から「イケてる」と見られるか「ダサい」と見られるか。
なかなかシビアな問題です。
クラウドファンディング化する世の中
2011年3月、日本で最初の、そして現在も日本最大を謳うクラウドファンディングサービス「READYFOR?」ができて5年以上。いよいよこの考え方が根付いてきました。
クラウドファンディングとは?
群衆(Crowd)と 資金調達(Funding)という言葉を組み合わせた造語で、 インターネットを通じて不特定多数の人から資金を集める仕組みを指します。
READYFOR(レディーフォー)は2011年3月のオープンから4470件以上のプロジェクトの資金調達を行い、日本最多の17万人から25.8億円以上の支援金を集めています。弊社ではすべてのプロジェクトにキュレーターと呼ばれる担当者がつき、サポートさせていただくので中学生 ~80代まで幅広い方々にご利用いただいております。
簡単にまとめると、支援者は資金を提供し、支援金額に応じたリターンが得られるという仕組みです。
クラウドファンディングの発展はSNSの発展と因果関係があると想像できます。
「イケてる」ものはシェアされ拡散される。
いいものも悪いものも “見つかっちゃう” 時代です。
SNSで広まったものは、Yahoo!ニュースやNEWSPICKSにも見つかり、普段SNSを見ない人にも見つかります。
見つかるものはとことん見つかり、見つからないものはとことん見つかりません。
これはシビアな二極化です。
これまではもっと時間をかけ、総中流社会全体を巻き込んでいた「ムーブメント」を、短期的にニッチ層に向けて小規模に炸裂させることができるようになっているのです。
歴史的出来事となるクラウドファンディング
SNSでも日本の先を行くアメリカでは、クラウドファンディングも日本の先を行っています。
Kickstarterでは、これから世界で巻き上がるVR(バーチャルリアリティ)ブームのきっかけとなったOculus(オキュラス)が2,437,429ドル、単純に1ドル=100円だとして2億4千万円の資金調達を一般市場からしています。
日本とは桁が違いますし、歴史に残る出来事になっています。
日本でも、アメリカ並みのイケてる革新を発想できる人が現れたら、歴史に残るムーブメントが起こる可能性があります。
信用を使ってクラウドファンディングしさらに信用を得る
現在の日本では、CAMPFIRE(キャンプファイヤー)による革新的な試みがなされ、よりカジュアルなものになってきています。
一般的に20%前後だったクラウドファンディング媒体の手数料を5%にまで引き下げたというものです。
この動きから浮き彫りになったことは、自分の主義主張を通すために「でも、資金がない」という言い訳はできなくなったということです。
有名人・著名人じゃないと成功できないのではないかと思う人もいることでしょう。
確かにそれは大きくハズしてはいませんが、問題はどれほどの社会的な評価を蓄えているのかが形に出るということです。
これは “信用” と言い換えても良いでしょう。
例えばこちらは、堀江貴文さんと岡田斗司夫さんが関わっているプロジェクトで、目標金額1,500,000円をはるかに超える5,672,555円が集まっています。
一方で、製品そのものがイケていて、リターンの形で予約販売をする方法がアメリカのKickstarterから来る流れのように感じます。
先行予約で優先的に入手できる上に値引きなどでお得感、身内感=関係者感を演出します。
下は目標金額の17倍の資金が集まっているプロジェクトです。この方法であれば、クラウドファンディングを通してのプレゼンで社会的な評価を同時に集めることもできます。
知人も次々とクラウドファンディングで成功しているので、後に続きたいものです。
継続的なクラウドファンディングの視点が必要
先日、KickstarterのJulio Terra氏の講演で言及されていたことではありますが、クラウドファンディングは資金を集めることを目的にするよりも、コミュニティを作ることを目的とすべきです。
簡単な言い方をするとファンクラブ。
CAMPFIREの共同創業者入家一真氏は次のように語っています。
「そもそもの話で、プロジェクト単位のビジネスモデルから脱却しないといけない」とも語る。さまざまなクラウドファンディングサービスの関係者とこれまで話して僕も感じでいるのだが、今のクラウドファンディングの大きな課題の1つは「プロジェクト」という切り出し方にあると思っている。
引用:クラウドファンディングのCAMPFIREが手数料を20%から5%に大幅引き下げ「小さな声も拾い上げられる場所に」 | TechCrunch Japan
クラウドファンディングを通して目に見える形となった「信用」は継続的に活かしてこそ、より大きな価値を生み出すことができます。
その点を押さえて長期戦略を立てるべきです。
ブランド化して、次から次へとワクワクする提案ができる体制が大事であると考えます。