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プレゼンテーションのコツは橋下徹に聞け 心をつかむ3つのポイント

この記事を書いた人:
水元英登(みずもと ひでと)
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継続課金型コミュニティ設計・管理

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お元気ですか?水元です。私はエンターテインメントに力を入れたプレゼンテーションイベントを企画・運営する者です。逆風を乗り越えて勝利した2011年大阪W選挙の橋下徹氏のプレゼンテーションを分析して、聞き手の興味を引くつかみの3つのポイントと最後まで聞いてもらうための3つのポイントを見てもらいます。私たちがこの技術を自分たちの仕事にも手軽に応用できないのか?考えてみたいと思います。

 

<もくじ>

 

良いプレゼンテーションとは人を動かすことが最低条件

2011年。橋下徹(以降も敬称略)は自らのプレゼンテーションの結果、大阪府知事・大阪市長のW選挙で現職の平松市長に対して完全勝利をしました。

この時、橋下に必要だったプレゼンテーションは、「投票」へ人を動かすものでした。

 

気持ちをありのまま伝えることは多くの人が犯す大きな間違い 

多くの人がプレゼンテーションに対して大きな間違いをしたまま、その土台の上に話を組み立ててしまいます。

プレゼンテーションで必要なことは、「投票してほしい」気持ちを伝えることではなく、「投票」という行動に人を駆り立てることです。

しかし、多くに人は、この出発点ですでに間違いを犯して、「投票してほしい」気持ちをいかに伝えようかと考えてしまうのです。

 

思い当たる節はありませんか?

 

クリスマスイブという大切な日に女の子を誘いだすというプレゼンテーションだっておんなじ。

気持ちをどう伝えようかともじもじしていた初心者は、今年も何の成果も得られなかったはずで、チャラい男があっさり持っていく理由さえもわからなかったかもしれませんね。

 

でも、もう大丈夫!

 

プレゼンテーションのつかみのコツ3つのポイント

プレゼンテーションでもっとも大事なのが本題に入る前の「つかみ」であることは、現代の情報化社会で多くの人が知るところになっていますね。

理由は簡単です。

人間は自分にとって必要であること、つまり「自分が聞きたいこと」しか聞かないからです。

 

出だしのつかみで聞く耳を持たれなければ、後に続く本題も、話の中身もへったくれもないんですからね。

 

つかみが大事だということは実際の街頭演説などをYouTubeなどで確認してみればわかります。

当時のW選挙で必ずしも有利だったわけではない橋下が大阪の空気を大きく変えたプレゼンテーションとはどんなものなのか。

では、実際にどんなコツを持っているのか、3つのポイントにしぼって実例と一緒に見ていきましょう。

 

つかみのコツ1. 自分のキャラ設定を明確にする

人類史上もっとも長く続く組織は「宗教」です。

宗教は神話によって伝えられます。私たちはストーリーの形が頭に入りやすいのです。

 

実質的な選挙戦の始まりだったこの演説で、橋下は、橋下自身の冒険ストーリーを聞き手(大阪府民全体)の冒険ストーリーに転換していきます。

 

2011年11月1日、梅田ヨドバシカメラ前の街頭演説。

みなさ~ん。お忙しい中、このようにたくさんお集まりいただきましてありがとうございます。大阪維新の会、代表の橋下徹です。

今は一弁護士であります。昨日をもって知事を辞任しました。みなさん、本当に長い間本当にありがとうございました。

 

当時の橋下は、組織票を持っている既存政治勢力のほぼすべてを敵に回し、しかも、自分自身も週刊誌などで個人へのバッシング記事が多く出ていた不利な状況下でした。

 

・満ち足りていない主人公

・大きな目標やゴールに向かって

困難や試練を乗り越える大冒険する

 

このストーリーは、映画『スター・ウォーズ』でも、「海賊王に俺はなる!」のマンガでも、鉄板中の鉄板である王道です。

橋本は自分に向けられた逆境を隠すことなく積極的に取り上げることで苦悩する物語の主人公を演出したのでした。

www.youtube.com

 

つかみのコツ2. この場の舞台設定を聞き手と共有する

橋下自身の冒険ストーリーを語るだけでは、面白かったね〜で終わってしまいます。

聞き手を主人公とした冒険ストーリーに巻き込んでいきます

聞き手も自分が主人公になったイメージをふくらませていきます。

 

巻き込まれた聞き手は、いつの間にか橋下のように苦難に立ち向かう一体感を持ちます。

 

同じく、2011年11月1日の街頭演説。

勝手ながら知事を辞職させてもらいましたが、その理由はただひとつ。

みなさん方に、この大阪の将来像を決めていただく、その機会を、環境をつくるために知事を辞職いたしました。

これまでの選挙とはワケが違います。

みなさんの選択によって大阪の将来が決まるんです

 

苦悩する主人公は橋下だったのですが、実は大阪府民も同じだよねという話に持ち込みます。

この選挙戦の主人公は、投票権を持っている「あなた方ですよ」というのです。

今この場がどういう場所で、「あなた方のするべきことはこれです」と明確に示してあげます。

 

選挙に関する道しるべの役割であると同時に、

ぼーっと聞いてるだけじゃダメですよ。と当事者意識を植えつけます

 

つかみのコツ3. 続きが気になる刺激的な言葉を投げかける

主人公に突きつけられた悲劇が、絶望的であれば絶望的であるほど、そのストーリーの続きが気になるものです。

こんな状況からどうやって這い上がってくるんだろう?と。

映画『シン・ゴジラ』も、怪獣ゴジラに対して人間の通常兵器ではまったくダメージを与えられないからストーリーが盛り上がるのです。

 

絶対無理だって!と思っていたものをどうするのかに興味が湧くんですよね。

 

2010年4月19日。大阪維新の会発足総会。

大阪の凋落ぶりは本当に情けない限りです。目を覆いたくなるばかり。みなさんもそれを感じていることと思います。

しかし知事をやってこの2年間、いろいろ勉強させてもらいましたが、大阪のポテンシャルはものすごい高いんです

 

自分の住む大阪についてこんな風に言われては...大阪府民のプライドをくすぐり、こけ落としておいてすかさず持ち上げます

この時点で感情は揺さぶられ、聞き手は自分ごととして橋下の話の行方を「喉が渇いたかのように」欲しがる状態になっています。 

 

プレゼンテーションを最後まで聞かせる3つの基本技術

つかみのコツは、しっかり学習しました。

しっかりつかんだ聞き手の心をプレゼンテーションを最後まで聞かせるために離してはいけません。

とは言ってもやるべきことはシンプル。引き続き聞き手が聞きたいことを話すということです。

 

聞き手が聞きたい話というのは、聞き手がわかる話です。

斬新な大発見ではありません。

聞き手の頭の中にすでにある材料を整理してあげる作業だと考えるとわかりやすいですよ。

 

それでは、つかみの後の本題を最後まで聞き手に聞かせ、聞き手を動かすまでの基本技術を3つにしぼって見ていきましょう。

 

基本技術1. イメージしやすいワンフレーズを繰り返す

橋下のプレゼンテーションで何度も何度も繰り返し出てくる短いフレーズがあります。

 

「2つのエンジンで日本を引っ張る(東京都と大阪都)」

「ヒト・モノ・カネを大阪に集める」

「日本全体の仕組みを変える」

 

誰でも復唱できるようなシンプルで意味が想像できる短いフレーズが記憶に残ります。

メディアもこの部分を使いたくなる格好の餌です。

 

さらに「大阪都構想」はこの選挙自体を象徴する言葉にすらなっています。

 

基本技術2. わかりやすい二者択一の形に持ち込む

赤と青、どちらが好きですか?

私たちはこのように聞かれると、赤と青の二択で損得を計算したりしはじめます。他にも選択肢はあるにも関わらず...

複雑な問題がありすぎて選べない状態をシンプルな二択にまとめてもらえると、ついついそれに乗っかりたくなっちゃうものです。楽だから。

 

大学受験する?しない?就職活動する?しない?みたいなものです。

 

2010年11月26日。なんば高島屋前の街頭演説。

大阪府民のみなさん。重要なことは、新しい制度である大阪都構想に問題点がどれだけあるかではない。今のまんまでいいのか?このまんま衰退する大阪のまんまでいいのか?現体制がいいのか?新しい体制に移るのか?

そこだけなんです。

 

ここでは

体制、権力、権限、お金を持っている体制は、自分の権力とお金を放そうとしないんです。

と語った上で、その代表格を直接の敵である平松市長に置いているんです。

橋下を選ぶか、平松市長を選ぶか。という二択が、有権者に権限とお金を取り戻すか否かの二択となっているんですね。

 

他にも論点はあるにも関わらず、もっとも主軸となる二択にしぼられています。

このような形にしないと有権者は決められないということを、橋下はわかっているんですね。 

 

基本技術3. 聞き手を物語に巻き込む

今、まさにここでストーリーが動いているんですけど、みんなも一緒に主人公として参加してみませんか?

そのように聞かれては「No!」とは言えません。

少なくとも橋下の街頭演説を聞きにきているわけですから。

 

私たちの生活を良くしたいなら、明治維新以来140年変わっていないこの国の仕組みを変えなきゃいけないですよね?

 

この場合、参加するということは橋下の描いたストーリーを後押しすることにいつの間にかなっちゃっています。

これがプレゼンテーションの力です。

最初に「人を動かすことが目的」とお話ししたところに戻ってきます。

 

「こんな考えがあります。知ってください。」

だと弱いんですよね。

どうして欲しいのかわからない人の提案には乗れないんです。

 

「これこれこのように動いてください」

まで言い切ることが大事です。

 

プレゼンテーション技術まとめ

不利な状況を跳ね返して完全勝利を成し遂げたのは、今見てきたような橋下のプレゼンテーションの技術です。

 

プレゼンテーションで世界を動かすなんて遠い存在の様に思うかもしれませんが、分解してみると具体的なコツが見えてきましたね。

どれもポイントをしぼった事前準備でなんとかなるレベルです。

 

多くの人がゴールを決めずに漠然と走り始めるのでふわっと何も残らないだけだったんです。

今の私たちならできるはずです。

あなただけの飛び抜けた話力が必要なわけでも、特殊な経験・実績が必要なわけでもありません。

 

主人公はみんな、レベル1からスタートです。

 1つずつできるようになっていきましょう。

 

つかみのコツ 3つのポイント

1. 自分のキャラを明確にする

2. その場の舞台設定を聞き手と共有する

3. 続きが気になる刺激的な言葉を投げかける

最後まで聞かせる 3つの基本技術

1. イメージしやすいワンフレーズを繰り返す

2. わかりやすい二者択一の形に持ち込む

3. 聞き手を物語に巻き込む

 

おわり

 

 

P.S. 最後まで読んでくれてありがとうございます。

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